5月22日(木)、横浜市港南区のコメディカルスタッフが多数参加する「医福ネット港南」の勉強会が上大岡駅前のウィリング横浜で開催されました。
この勉強会は、港南区内包括支援センター主任ケアマネ諸氏とタグチクリニック(脳神経外科)の院長である田口博基先生が発起人となり、定期的に開催されています。
参加者はケアマネージャーをはじめ、医師、看護師、PTやOTなどのリハビリスタッフ、薬剤師、ヘルパーのほか、区役所や地域包括の職員、病院のメディカルソーシャルワーカー(MSW)、福祉用具事業所、事業所管理者など多岐に渡る専門職の方々です。
勉強会は毎年、年3回のペースで開催されており、毎回テーマを決めてそのテーマに沿った講師をお呼びして講演会などを行っています。当事業所は「医福ネット港南」の世話人として昨年度から携わらせていただいています。
今回の第12回では「訪問リハビリ」をテーマとした勉強会になりましたが、僭越ながら、その講師として私、杉浦が担当させていただくことになりました。田口先生からは「好きなようにやっていいよ」と温かい言葉をいただきましたが、相当なプレッシャーです。
準備期間は3か月ほどあり、十分な期間をいただけましたが、原稿の作成が思うように進まず、やはりギリギリになって慌てることになってしまいました。なんとか前日に完成にこぎつけることができましたが、限られた時間内に終わることができるかどうか、こちらが伝えたいことが上手く伝わるかどうかが不安でした。
講演に際して、自分自身が最も伝えたかったことは、
①実際に訪問リハビリではどんなことを行っているのか
②訪問リハビリではどんな効果が得られるのか
というところです。
訪問リハビリは、他の専門職に比べて内容や効果がなかなか認知されにくく、在宅サービスの一つとしての選択肢に上がりにくいといった現状を常から感じていました。リハビリの一般的なイメージとしては、筋力や体力をつけるための運動プログラムが主体になっています。
しかし、実際には痛みやこわばりを緩和するためのアプローチもリハビリの重要な内容になります。痛みやこわばりが強い状態で運動を行っても、期待される効果は得られにくくなります。なので、今回は痛みやこわばりを緩和するためのリハビリにフォーカスした内容としました。
実際に痛みやこわばりが緩和されて身体能力の向上が図れた症例紹介もさせていただきましたが、言葉だけでは効果をお伝えするには不十分だと思い、効果を実感していただくために、実技を取り入れた構成としました。
それだけリハビリへの関心を持っていただけているのかな、と嬉しい気持ちの反面、プレッシャーが重くのしかかってきます。始まる前まではソワソワとして落ち着かず、緊張はピークに達しました。
実際に講演会が始まっても思うように緊張がほぐれず、多々、聞き取りにくいところもあったかと思います。参加者の皆様には最後まで清聴していただき、感謝しています。
講義を進め、後半に実技を行いました。参加者の方の中から、肩や腰などに痛みやこわばりを感じておられる方を募って、実際にリハビリを行う形式です。モデルを募集したところ、左腕付近にピリピリとした痛みがあり、鍼治療を受けたものの症状が改善しない、という女性(ケアマネージャー)が手を挙げてくれました。
実際に診させていただくと、痛みで左腕が十分に挙げられない状態でした。「実技場面」
痛みの原因と思われる部位に対してリハビリを行ったところ、短時間で効果が得られ、まっすぐに腕が挙がるようになりました。痛みもかなり緩和されたとのことで、笑顔で応えてくれました。
会場からも「おぉー」と声が上がり、拍手をいただきました。
内心ではホッと胸をなでおろしました。
質疑応答の時間では、貴重なご意見もいただきました。
「リハビリの効果がよく分かりました」
「自分もモデルに立候補すればよかった」
「訪問リハビリを紹介したい利用者様が何人か頭に浮かびました」
など、好意的な感想をたくさんいただきました。拙い講義内容でしたが、自分としては少しでもリハビリの内容や効果についてお伝えできたかな、と思います。
まだ痛みやこわばりで辛い生活を送っておられる方が大勢いるのではないでしょうか。今回、参加していただいた皆様から情報を発信していただき、少しずつでも楽に生活できるよう、地域全体で支援していけるようになれると嬉しいです。
これまではリハビリに関して、多方面にアピールできる場がありませんでしたが、今回、このような貴重な場を提供していただいた田口先生をはじめとして、「医福ネット港南」をサポートして下さっている方々に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
当事業所は、これからも地域の皆様に満足していただけるサービスを提供していけるよう、スタッフ一同、精進していきます。今後ともよろしくお願いいたします。
杉浦